ひとりごとですけども

ひとりごとをひとり呟く場所

GIRLS JUST WANT TO HAVE FUN

GLEEのGirls just want to have funが好きだ。

Cyndi Lauperが歌うオリジナル版は、親との関係性が悪いことをあきらめていると思う。むしろもう一週回ってハイになって笑い話としてガヤガヤと音の響くクラブで友達に愚痴ったりしている。そういう曲だと思う。

軽快なリズムとちょっと不思議な調子の音で、非日常というか聞いている人とは少し縁遠い世界の話をしているみたいだ。

ぼくは親がよく聴いていたアルバムからこの曲を知ったが、特筆すべきお気に入りというわけではなかった。GLEEのGirls just want to have funを聞くまでは。

GLEE版の一番いいところは、スローになったテンポだと思う。曲初めのピアノと低くてゆったりしたフィンの声が、とても好きだ。

GLEE版のGirls just want to have funは、まだ親との関係をあきらめきれていない。思春期の彼らにぴったりのアレンジだと思う。親との関係を修復できるのか、自分として生きることが障害になるのか、思い悩む人に語り掛ける曲になっている。

この曲の歌詞に、mother dear we're not the fortunate onesという一節がある。Cyndiの歌うmother dearには少し皮肉めいたニュアンスがある。対してフィンのうたうこの一説には、哀れみがある。心の底から親しみを持っているのに、相いれないことを憐れんでいる。

Cyndiのうたう原曲には、このあと彼女はなにもかもを吹っ切って楽しい人生を謳歌できるのではないかという希望がある。今はもういないフィンが歌っていることもあって、GLEE版のGirls just want to have funにはもう取り返しのつかないなにかを感じる。

ぼくは、欠けたところに美を見出す日本人のはしくれとして、この曲が大好きだ。