ひとりごとですけども

ひとりごとをひとり呟く場所

half of my heart is in

お題「行きたい場所」

 

ときどきふっと、意識が遠くの地に飛んでいくことがある。

旅行だったり住んだことのある地でぼくの記憶のなかにある風景。不思議なことに、そういうとき思い出すのは著名な観光地とか名前のついている場所ではなくて、街角のKIOSK前の人場だったり、遊歩道のなかの噴水だったりする。

海外旅行に行く目的は人それぞれで、観光地を目いっぱい回りたい人もいるだろうし、俗世間のしがらみを捨てゆっくりしたい人もいる。

ぼくは後者に属する人間で、もっぱらそういう名もない場所でだらだらとした時間を過ごしたくて海外に行っている。気に入った場所の記憶はふわふわと小さなかけらとして頭の中にあるのだろう。疲れたときや、寝る前にたまにふっと思い出す。記憶のなかの風景はぼくをまた新しい旅行にいざなう。

名前がわからないからGoogle mapでも探せない、もしかしたらもう二度と行けないそんな場所に、ぼくのこころはある。今日も今日とてなにをするでもなしに夕暮れを眺めたり、散歩中の犬をなでたりする。そういう場所にぼくはいきたい。