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疎外感と依存

天才と凡人(少なくとも本人はそう自称している)のコンビが好きだ。

天才には、絶対的な指数で能力があることが証明されているのに、ただ一人凡人から評価されたくて必要とされたくて空回りしているところをいつまでも見ていたい。

天才はその才能ゆえにいままで周囲の人間を人間ともおもわず、関係構築を図ることもなく過ごしてきた。だからなにをすれば喜んでもらえるのか、自分を必要としてもらえるのかわからないのだ。

凡人(これは多くの場合自称にすぎない)は天才の才能をときにうらやみ、妬み、その才能を愛するゆえに天才が自分以外の世の中に受け入れられてほしくて努力する。

それでも凡人にとって、最も揺るがない自己肯定感は、天才にとって唯一の相棒であり理解者であり頼られる存在であるというところにある。だから、自分が望んだことであるにもかかわらず、天才が社会と向き合い関係を構築することに違和感を覚える。

凡才にとっては天才は、自身を愛するための道具に過ぎないこともある。天才は、そのことに気づいていながら凡才に依存する。天才にとって凡才は、生まれてこの方感じてきた社会からの疎外感を唯一払拭する存在だからだ。

こういう二人の関係性は、ゆがんでいて、綺麗で、その二人にしかつくれないかたちがある。そういう美しいものを、ぼくは愛している。