ひとりごとですけども

ひとりごとをひとり呟く場所

おばあちゃん、どこからきたの

ぼくの曾祖母は、きっと、日本人ではなかった。

これはあくまで推測だし、なにか確固たる証拠があるわけでもない。彼女の名前は純日本的な名前だし、息子である祖父によると彼女には日本人の両親がいたという。生まれは不明だけれど、小学校の時には日本に住んでいたといわれている。

それでも、ぼくは彼女の血縁は、日本人ではなかったと思う。

写真でしか知らないぼくの曾祖母は、ぼくが思うどこか世界の片隅にある田舎で庭のベリーをジャムにしているようなおばあさんだ。

ぼくは小さい頃から祖父が大好きな子だった。ぼくの祖父は、そんな曾祖母の息子だけあってなかなか日本人らしくない見た目をしている。

目の色はとても薄く、腰の位置が平成生まれのぼくより高い。祖父は兄弟のなかで一番日本人らしいので、他の兄弟はよく海外の人だ、と思いこまれていたそうだ。ぼくの母もよく、ハーフだと勘違いされている。

が、ぼくまでくるとその血は薄まっている。見た目には感じられない曾祖母の血に、ぼくは自分のなかにあるなにかがつながっているのではないかとよく思う。

どういう人生だったのか、どういうルーツを彼女はぼくにつないでくれたのか、じっくりぼくと話してほしい。ゆっくり、庭でつんだベリーでつくったジャムを食べたりしながら、ぼくに血をつないでくれた彼女の声を聴きたい。