ひとりごとですけども

ひとりごとをひとり呟く場所

ジャンプの連載の話ほど年代が特定されるものってない

中学生くらいのときに好きになったものって、一生身体の中に残っているような気がする。

中学生のぼくは、ジャンプでREBORNとかBLEACHとか銀魂とか、今なお新しいコンテンツを発信し続けている連載を読んでいた。

銀魂の連載もいよいよ終わると聞いて、中学生のころ毎週ジャンプを友達と回し読んでいたぼくにさよならするような気持ちになった。実際は、きっともう二度と戻らない青春として、ぼくのなかにずっと残っていくのだろう。

先日BLEACHで好きなキャラクターを聞けばだいたいその人がわかる、という旨のツイートを読んだがこれ以上ない共感を覚えた。

ぼくは、吉良イヅルのことがとても好きだ。彼の生い立ちに起因するであろうひん曲がった陰湿っぽい性格や、自分に自信がないけどプライドは高いから誰かに信奉してしまうと取り返しがつかなくて、職務ではなく信じている上司にだけ忠実なところも好きだ。こころのなかに残酷なほどなにも知らない冷徹な子供と、卑屈さですべて覆い隠してにたりと笑う情に厚い大人が共存しているところが好きだ。

イラスト集の発売に際して、キャラクターのイメージソングが公開された。吉良イヅルのために選ばれた歌は「あなたは海の底」これ以上イヅルにふさわしい歌などあるだろうか。しかも女性ボーカルの失恋ソングだ。じめっとしていて聞くだけで、ちょっとひいてしまう、あまりにもふさわしい曲だと笑ってしまった。

ぼくは、もう吉良イヅルのことで一喜一憂したりする中学生ではない。それでも、ぼくの中には確かに彼と、彼のことを思ってワクワクしたりハラハラしていたあの特別な時間があるのだ。

half of my heart is in

お題「行きたい場所」

 

ときどきふっと、意識が遠くの地に飛んでいくことがある。

旅行だったり住んだことのある地でぼくの記憶のなかにある風景。不思議なことに、そういうとき思い出すのは著名な観光地とか名前のついている場所ではなくて、街角のKIOSK前の人場だったり、遊歩道のなかの噴水だったりする。

海外旅行に行く目的は人それぞれで、観光地を目いっぱい回りたい人もいるだろうし、俗世間のしがらみを捨てゆっくりしたい人もいる。

ぼくは後者に属する人間で、もっぱらそういう名もない場所でだらだらとした時間を過ごしたくて海外に行っている。気に入った場所の記憶はふわふわと小さなかけらとして頭の中にあるのだろう。疲れたときや、寝る前にたまにふっと思い出す。記憶のなかの風景はぼくをまた新しい旅行にいざなう。

名前がわからないからGoogle mapでも探せない、もしかしたらもう二度と行けないそんな場所に、ぼくのこころはある。今日も今日とてなにをするでもなしに夕暮れを眺めたり、散歩中の犬をなでたりする。そういう場所にぼくはいきたい。

プレイリストのはなしみたび

最近、また新しい音楽のインプットに関心が向いている。

今日はリハビリもかねて、最近のプレイリストのはなしを。

 

〇WHISTLE / BLACKPINK

遅ればせながらBLACKPINKを聞き始めた。最初に聞いた曲があまり好みではなかったことで敬遠してしまっていたのだが、ビジュアルとコンセプトが好きなので絶対に好きな曲があるはずと再び挑戦し発見。事務所の特徴でもある歌唱力とビジュアルの強さが媚びていなくて好き。

〇No Hay Nadie Más / Sebastián Yatra

アメリカや全世界規模に名前の挙がるスペイン人アーティストはどうしても情熱的でダンサブルなナンバーに移行しがち。スペイン国内ではやっている曲に限定して調べるとゆったりしていて少し陰のあるラブソングが聞けて好き。ミュージックビデオも孤独だけど光のある自然のなかでとられていて好き。

〇Get Naked / Coming Century

いよいよ不惑を迎えられるアラフォーアイドル三人の楽曲。アルバム全体が最高だったのはもちろん、この曲はアイドルというファンから選ばれ消費される立場でありつづけるこの人たちにしか出せない色気のある曲で好き。あれだけ踊れる人たちが踊らない曲を歌っているのも好き。

〇Hey Baby / J. J. Cale

大好きな映画の挿入歌。DVDのメニュー画面でずっと流れている曲なのでその印象が強い。映画のストーリーも相まって、だれがわかってくれなくても自分が幸せならいいやとぼくの世界をやさしく包み込んでくれる曲。肩の力を抜いてくれる曲。

〇I Know What You Did Last Summer / Shawn Mendes & Camila Cabello

勢いのある若手二人のデュエット。声を楽器のように使うイントロの掛け合いが好き。SNS世代の恋愛の歌は、言われてないけど知っていることを抱えている曲が多いように感じる。また十年ほど時間がたてば傾向が変わったりするのだろうか。

〇虹 / Aqua Timez

先日初めて生で演奏を聴く機会があった曲。演出もあいまって、とても思い出深く印象に残った。当時ドラマを見ていたわけではなかったがAqua Timezはぼくの学生時代にちょうど身の回りにあったバンドで解散してしまうのは感慨深い。これからもこの曲を聞けばあの日を思い出すのだろうな。

〇Feelings / Maroon5

違う曲目当てで借りたアルバムでぐっと心をつかんだ曲。彼の高い音の出し方とシャウトの仕方が好きなので、ずっと好きなパートが続いているような曲。音のかぶせ方、コーラスの入れ方が好き。

 

夏の夜なべにしてはいい文字数では。それでは今日はこの辺で。

ときどき、このブログが自分の首を絞めるのではないかという考えがふと首をもたげる。

インターネットに投稿したものは、電子の海に永遠にさまよい続けるわけである。ぼくの書いた文章はぼくの手を離れ、ふわふわと漂う。ぼくは電子の海の存在を忘れ、日々の生活に忙殺される。

そしてある日突如、過去の自分の文章について糾弾される。そういう未来が起こりうると考えると思うとゾッとする。

高校生の頃自分の思うことを書き留めていたノートを見返すとまるで別人のように感じるほど考えが変わっていることがある。ぼくの考えは周囲に影響されて絶えず変化するのだから、当然だけれども。それでもぼくの言葉は、ぼくの言葉としてぼくが責任をもつものとされる。

ぼくにとっては、ノートにつらつら文字を書き連ねるあの言葉もブログにカタコトと打ち込むこの言葉も、同じように責任をとるものではないのだけれどなあ。

旅行記っておもしろい。

年齢や環境、性格が自分と異なる人の描いている文章というだけで面白いのに、見知らぬ土地で知らないことをしているのが本当に面白い。

ぼくはいつでもどこかに行きたいのだ。今すぐにでも。旅行記は少しだけその気持ちを満たしてくれる。

新しい旅行の予定が決まると、またすぐにでも飛び立ちたくなる。長期の休みに誰にもはばからずにゆっくり過ごしたいのだ。急な呼び出しにも応じたくないし、働きたくもない。それも、正当な理由で。

海外旅行は、お金がないと楽しめないとも思う。それが無理やりにでもぼくを働かせる。働かない時間を得るための、労働時間が必要になる。矛盾しているようだけどぼくにとって旅行はしなければ楽になれるのに手放せないものなのだ。

ぼくは全然見ず知らずの人に喜びを発信しようと思わない。でも友達がぼくが書いた旅行記を読んでくれたら、それってとっても素敵だと思う。

 

茶葉に埋もれて冬眠したい

紅茶が好きだ。コーヒーも飲めないし、お酒も飲めないぼくにとって紅茶は呑み道楽を名乗らせてくれる唯一の相棒だ。

海外旅行に行くと、スーパーに行ったり地元で愛される紅茶屋さんを見つけるのがなにより楽しい。昨年もまた薬物密輸よりも多くの葉っぱを片手に帰国したのだが、もう枯渇してしまった。

昨年の紅茶はあたりで、人のいいおばさんたちが進めてくれたオリジナルブレンドが大変おいしかった。この紅茶は、日本人には音楽隊の町として有名なドイツのブレーメン仕入れたものだ。

現地に赴くと観光地化されていない様相に少し驚いた。その中にあって珍しく地元の人も認める観光スポットにシュノア地区(Schnoor)という場所がある。正味一か月ほどの滞在の間に何度も足を運んだのがここにある紅茶屋さんだった。

茶葉で紅茶を買ったものの旅行中にポットを買うわけにもいかないという話をしたら、マグカップ一杯分を茶葉で紅茶がいれられるようなアイテムを探しだしてくれた。今でも家で一杯だけの紅茶をいれるときにあの紅茶屋さんを思い出す。海外旅行に行きたいなあ

GIRLS JUST WANT TO HAVE FUN

GLEEのGirls just want to have funが好きだ。

Cyndi Lauperが歌うオリジナル版は、親との関係性が悪いことをあきらめていると思う。むしろもう一週回ってハイになって笑い話としてガヤガヤと音の響くクラブで友達に愚痴ったりしている。そういう曲だと思う。

軽快なリズムとちょっと不思議な調子の音で、非日常というか聞いている人とは少し縁遠い世界の話をしているみたいだ。

ぼくは親がよく聴いていたアルバムからこの曲を知ったが、特筆すべきお気に入りというわけではなかった。GLEEのGirls just want to have funを聞くまでは。

GLEE版の一番いいところは、スローになったテンポだと思う。曲初めのピアノと低くてゆったりしたフィンの声が、とても好きだ。

GLEE版のGirls just want to have funは、まだ親との関係をあきらめきれていない。思春期の彼らにぴったりのアレンジだと思う。親との関係を修復できるのか、自分として生きることが障害になるのか、思い悩む人に語り掛ける曲になっている。

この曲の歌詞に、mother dear we're not the fortunate onesという一節がある。Cyndiの歌うmother dearには少し皮肉めいたニュアンスがある。対してフィンのうたうこの一説には、哀れみがある。心の底から親しみを持っているのに、相いれないことを憐れんでいる。

Cyndiのうたう原曲には、このあと彼女はなにもかもを吹っ切って楽しい人生を謳歌できるのではないかという希望がある。今はもういないフィンが歌っていることもあって、GLEE版のGirls just want to have funにはもう取り返しのつかないなにかを感じる。

ぼくは、欠けたところに美を見出す日本人のはしくれとして、この曲が大好きだ。